父親の歩く道、息子の歩く道2010年2月9日 エッセイ コメント (1)

「あさって、群馬行くぞ」

長男を誘った。
自由登校になり、卒業を待つばかりのリョウ。
今度の祝日はバイトも休みらしい。

リョウは今春から、
僕や親父が歩いている道を歩き始める。
だからこそ、親父に会わせておきたかった。

「あさっては朝の7時に出発だな」
「え~、本当かよ」
「当たり前だろ!」

苦笑いのリョウ。

4月からは静岡の祖母の家に下宿をする。
群馬の祖父と会う機会も、そうはないはずだ。

だからこそ、会っておいて欲しい。

ゴウとマル2010年2月1日 友達 コメント (4)

「今、横浜に来てるから」

1年ぶりのゴウからの電話だった。
大学時代からの付き合いはゴウは、
大分で体育の教員をしている。

横浜で教員をしているマルも呼び、
3人で飲んで語り合う。

ゴウば豪快に飲み続け、
お酒の弱いマルはそれでも柚子酒をマイペースで飲む。
僕もビールから焼酎へ。

「後輩と吉祥寺で飲むから」とゴウが去り、
「じゃ、またな」と手を上げる。

残されたマルと僕。
「折角だから、もう少し飲むか」というと、
「ああ」とマルがいう。

サッカー、兄弟、それぞれの道2010年1月26日 家族・子育て コメント (2)

「あいつ、恵まれているよな……」

長男との用事があっての車の中――。
進学先が決まった弟のケンのことを、
兄のリョウがそんな風に言った。

「あいつ……中学でも高校でも、いい環境じゃん」

中学では望んで陸上部に入り、
高校でまたサッカー部に入ったリョウ。
サッカーを通じての喜怒哀楽は、
ケンと比べて少し違ったものなのかもしれない。

「でも、ケンはずっとお前を追いかけているんだぜ」

助手席のリョウが照れくさそうに微笑んだ。

高校へ2010年1月21日 家族・子育て コメント (4)

明日は次男ケンの高校受験です。

散々悩み、自分で考え、やっと決めた志望校。
僕も妻もその決断に納得しました。

そこでのケンの夢は、
サッカーでの選手権出場と学業との両立。
困難な挑戦になると思います。

その前にまずは明日。
夢へのチケットはそれからです。


ジャーナリストTの気骨2010年1月18日 エッセイ コメント (4)

「小沢幹事長の辞職を求める世論が高まってますよね」

あるニュースショーの女性キャスターが言った。

「当たり前でしょ! 
 メディアがそうなるように報道しているんだから」

朝、たまたま見ていたニュースショーで、
ジャーナリストのTさんが吠えた。

確定もしていない疑惑を、
さも事実のように報道するメディアを
一喝するような言葉だった。

訳の分からない『関係者』の証言をもとに、
ニュースが作られ、それが全てのように僕らは理解する。
右へ習えと言わんばかりに、
小沢バッシングをする評論家やキャスター達……。

世論を誘導するようなメディアの報道のあり方を、
メディアの中にいるはずのTさんは否定した。

それはそこいらにいるジャーナリスト達が忘れてしまった、
いや捨ててしまった気骨だと僕は思う。

僕はこれからもTさんを応援したい。

先輩への電話2010年1月14日 友達 コメント (4)

高校大学が一緒だった先輩がいます。

クラブが同じでもなかったのに、
遊んだり、飲んだり面倒をみてくれた先輩です。

電話しろ――いつものように年賀状には書かれていました。

昼、思い立って職場に電話すると、
「おぅ! 羽生か」と変わらぬ大きな声。

近況を語り合い、お互いの知人を語り合い、
次は飲もうと約束をして、
最後は「電話、ありがとう」と先輩。

思い切って電話して本当に良かったと思いました。

高校サッカー一喜一憂2010年1月9日 エッセイ コメント (4)

高校3年、高校サッカーをやり終えた長男。
中学3年、今春、高校サッカーに飛び込む次男。

選手権、準決勝――
きっとそれぞれに違った思いで、
テレビを見つめていることだろう。

余計なことを考えずに、
ひたすら打ち込むものがあった。

そんな時間を持って欲しいし、
それを人生に活かして欲しい。

鶴見川の向こう側2010年1月2日 エッセイ コメント (6)

鶴見川の向こう側
元旦、次男と初日の出を拝みに行く。
それぞれのペースで走り、
それぞれの場所で拝む。

地元に流れる鶴見川の向こう側。
ごみごみした街にも初めての太陽は昇った。

その足で公園のグランドに行き、
訛った体に鞭を打ち、ケンとサッカーをする。

走れない僕を笑うケン。
走れない自分を笑う僕。

とにかく1年が始まった。
ありきたりだが、よしやるぞと思う。

ふれあい2009年12月31日 エッセイ コメント (4)

最後のクライミングを練習を終えたユイを迎えに中野島へ。
いつも習っている先生とクライミングの話に花が咲く。

その足で武蔵小杉にあるいつも理髪店に寄る。
マサオさんに髪を切られながら、話しながら、気持ちよく寛ぐ。

夜、鶴見の駅裏、地元の友達のNさんと差し向かいで大いに飲み語る。
Nさんと飲むといつも気持ちが良い。
ここ数年、この会は年末の恒例になっている。

寒風に浸り、家までの道のりを1年を振り帰りながら歩く。

出会い、再会……

今年も様々な人たちと会ってふれあいを楽しんだ。
平凡で普通の1年だったかもしれない。
たがらこそ、充実した1年だったのかもしれない。

ありがとう――
今年の最後もその言葉が頭に浮かんだ。

納めの日2009年12月29日 お仕事 コメント (4)

明日の午前中で僕も仕事納めです。

やり残したことはないのか――

しっかりと、じっくりと、
やり遂げようと思います。

師走の夜2009年12月26日 エッセイ コメント (2)

汗をかき、全力を尽くし、
慌しい師走を過ごす。

クリスマスはいつの間にか過ぎ、
正月がもうすぐそこだ。

一日が終わり、
いいだろうと、
ビールをもうひと缶。

飲んだ後に、
まだまだと振り返る。

忘年会帰りの妻と2009年12月18日 日常 コメント (2)

忘年会帰りの妻を駅まで迎えに行きました。

師走、赤い頬の楽しそうな人たち。
クルマの窓から見える年末の風物詩。

買い物の荷物を片手に妻が乗ってきました。
爽やかな柑橘系の香り。

「なんかサワーでも飲んだか?」
「ガムだよ(笑)」

あっという間に家に着き、
クルマを降りて夜空を見上げました。

「今日は星、多いな」
「ほんとだね」
「それにしても冷えるな」
「ほんと、冷えるね」

なんでもない夜のなんでもないひと時。
それでも、大切にしたいひと時です。

ハッピーな港の夜2009年12月13日 友達 コメント (2)

ハッピーな港の夜
大きな体のダイスケ君が挨拶をしている横、
新婦のカオルさんはニコニコと微笑んでいる。

土曜の夜、マリンタワーのレストラン。
草野球チームのチームメート、
ダイスケ君とカオルさんの結婚披露パーティーがあった。

100人もの招待客が所狭しと集まった宴。
初対面の人たちとも会話は弾み、
イリュージョンあり、ビンゴゲームありの楽しい夜。

ふたりの人柄だな――
ビールを飲み、バスタを食べながら、しみじみ思う。

パーティーを終え、草野球チーム数人での二次会。
関内の居酒屋で浮かれた気分でいると
わざわざ新郎新婦も来てくれた。

幸せいっぱいのふたり。
ハッピーな夜をありがとう……。

※写真の卓上カレンダーのイラストは新郎の妹さんの作品です。

となりのドラマ2009年12月10日 日常

仕事柄、人の話を聞くことが多い方かもしれません。
先日もある女性の半生を聞きました。

その人だけのたったひとつの人生――。

婚約、別れ、結婚、子育て、裏切り、そして喜び。

その女性は喜怒哀楽の諸々を、
面白おかしく語ってくれました。

人生というドラマでは誰しもが主役です。
そこには脚本もなければ、演出もない。
もしかしたらテレビドラマ以上に、
アドリブが必要なのかもしれません。

「ドラマみたいですね」

そういうと、その女性は「ははっ」と小さく笑いました。

登れ、ユイ2009年12月3日 家族・子育て コメント (2)

登れ、ユイ
大きな大会ではない。
娘は秘かに優勝を狙っていた。

予選2本を完登しての決勝――。
どうしても登れないところ。
粘って考え直し、意を決してやり直すが、
娘は核心の部分に跳ね返された。

結果が出で、涙目のユイ。
僕は良く頑張ったとただ褒めた。
優勝を期待していた妻は娘と同じ目をして悔しがっていたが、
それでも、クライミングが大好きなユイを再発見したようだ。

クライミングを始めて間もない子供も多かったこの大会。
純粋に高いところに登りたい気持ちを、
みんな思い切りぶつけていた。

帰りのクルマ、高速の渋滞。
いつのまにか娘と妻は寝てしまった。

星空の夜2009年11月23日 家族・子育て コメント (4)

土曜、仕事を終えてから母を連れて、
父の住む群馬へとクルマを走らせた。

午後11時過ぎに着くと、居間に明かりがついていた。
少しして父が出てくる。

「凄い星だね」
「昔はもっと凄かったよ」

澄み切った夜の満天に、散りばめられた星たち。
雨の降った後の雲ひとつない夜空。
絶対に都会では見られない大切なもの。

居間に入り、本当に久しぶりの親子3人。
こたつが温かい。

夜が深まり、静かな時間だけが過ぎた。

ジムナジウムのスーパーマンを訪ねて・32009年11月19日 読書

あれから12日後――。

仕事を終え、所用で駅までクルマを走らせていた。
用事を済ませ、駅前の商店街を抜け、広い通りに出た。
その通り沿いには菓子メーカーの工場がある。

エンゼル・スカッシュクラブ。
日本で初めての民間のスカッシュコートが、かつてその敷地内にあった。
坂本さんはそこでスカッシュと出会い、
その後、日本のスカッシュ界のパイオニアとなる。

残念ながらボーリング場の一角にあったスカッシュコートは、
すでに閉鎖されていて、建物だけがひっそりと残っている。

今頃、坂本さんはどうしているだろう――

思いを廻らせていると、
見覚えのある白いセダンがすぐ前を走っているのに気がついた。

まさか――

ちょうど「エンゼル・スカッシュクラブ」があったあたり、
白いセダンはハザードランプを点しながら路肩に止まった。
追い越す時、運転席を一瞬見た。

まさか、だった。

坂本さんはセールスマンとしての職責を全うした。
しかし、スカッシュ選手としての引退はまだ口にしていない。

【終わり】

THIS IS IT2009年11月15日 映画 コメント (2)

僕はマイケルジャクソンのファンではありませんが、
妻の誘いに乗っかって、娘と三人で見に行ってきました。

「ポップコーンはキャラメルね」と娘。
待望のマイケルの映画に、ワクワクドキドキの妻。

考えてみれば、妻と娘と三人で映画というのは初めて。

本番さながらのリハーサルシーンに、
マイケルを支える人たち。
単純にリズムに乗っかっていればいいものを、
ひねくれオヤジは色々と考えてしまいました。

ひとつだけ僕が言えることは、
見て損はない作品と言うこと。

ライブツアーは是非、やってもらいたかった……。

ジムナジウムのスーパーマンを訪ねて・22009年11月13日 読書 コメント (2)

「熱っ!」

テーブルに備え付けのIHコンロを坂本さんが触った。
娘が本気で驚き、坂本さんが大笑いする。
いつもそうだ。坂本さんは人を笑わせ、自分も一緒に楽しんでいる。

クルマを預けた後、僕と娘は坂本さんに昼飯を誘われた。
お店の筋向いの日本料理の店、久しぶりに坂本節が聞かれる。

スカッシュの話、僕の子供たちの話、クルマの話。
箸を進めながら、坂本さんとの会話を楽しんだ。
時折、娘をからかい穏やかな眼差しを向ける。

【坂本聖二。肩書きはこうだ――
トヨタカローラ神奈川株式会社 鶴見営業所営業課 係長。】

作品の中の肩書きから約30年が経った。
でも、その肩書きにほとんど変化はない。
63歳を迎える現在も若手や中堅と同じようにクルマを売り続けている。

出世には目もくれず、スカッシュボールを追い続け、
クルマを売り切った坂本さん。
本物のオンリーワンとは彼のことを言うのかもしれない。

「昔の平凡パンチが出てきてさ……昔の僕、笑っちゃうよ」

チャンピオンだった頃、坂本さんは様々な取材に追われた。
そのひとつ、今は廃刊となった週刊誌を見せてくれた。
娘がニヤニヤしている。
そこには髪の毛がふさふさで、
引き締まった肉体の若い坂本さんが写っていた。

「全然、違うよね」
また、娘がニヤニヤしている。
「……面影はありますよ」

週刊誌の中のスカッシュ選手も、目の前のベテランセールスマンも、
瞳の奥に湛える優しさは全く変わっていない。

【つづく】

ジムナジウムのスーパーマンを訪ねて・12009年11月12日 読書

【彼にとっては、クルマのセールス台数を増やすのと同じくらい、
自分の連勝記録を伸ばすのも大切だった。】

――「スローカーブを、もう一球」山際淳司著、角川文庫、
   「ジムナジウムのスーパーマン」より

助手席に娘を乗せ、横浜新道をのんびりと走らせながら、
「ジムナジウムのスーパーマン」を思い出していた。
スカッシュの神様こと坂本聖二さんはカーセールスの仕事をやり続けながら、
スカッシュにも全力疾走だった。

その坂本さんが定年前、最後の1年を過ごすことになった藤沢の販売店に、
僕たちはクルマを走らせていた。
10月25日、坂本さんの退職の日は1週間後の11月1日だ。

その3日前、坂本さんは体の手入れにうちに来た。
「今月、点検だよね……でも、遠いから無理しなくていいよ」
その言葉の本心を僕は百も承知だった。
鶴見の販売店で偶然出会ってから12年――
もう、セールスマンとしての坂本さんには会えないことになる。

坂本さんからはたくさんのことを学ばせてもらった。
スカッシュも教えてもらった。
頂点を極めた男の誇りと人を大切にする心に触れることもできた。

翌日、僕は藤沢の店にクルマの点検の予約をいれた。

【つづく】

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