ある友達

2006年1月12日 友達
ふと思い出す友達がいます。

彼は僕のことを友達とは思っていなかったかもしれません。
高校時代、彼はバスケットボール部のキャプテンで、
僕はバドミントン部のキャプテンでした。
彼は関東大会まで行き、僕は県大会が精一杯でした。

お互い顔を合わせれば、挨拶を交わしていたし、
それぞれに厳しかった部活のキャプテン同士、
話さなくとも通じ合うものがあったように思います。

一緒に某体育大学を受験して、
彼は正規に合格し、僕はかろうじて補欠合格。
結局彼は更に受かった国立大の体育学部へと進みました。

苦労の末、彼は目標の体育教師となり、
僕はいつの間にか家業を継いでいます。
思えば僕はいつも彼の後ろを走っていたような気がします。
追いつこうとも、抜き去ろうともせずに。

彼が羨ましかったわけでも、
彼のようになりたいと思ったわけでもありません。
ただ、いつも先を走る彼がちょっと眩しかった……。

今でも思い出す彼は、いつもクリッとした瞳で笑っています。

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