横浜鶴見の産業道路沿いにひっそりと、
それでいて自己をしっかりと主張するように、
そのジムは建っていた。

クライミングジム「アラジン」――

今年3月にオープンした真新しいジムは、
代表の小川弘資さんの個性が滲み出る温かいジムだった。

フリークライミングというとちょっと敷居の高いイメージもあるが、
小川さんはその壁を取り払おうと、
奥さんと一緒に広く一般への普及を図った来た。
その成果のひとつが手作りのこのジムだ。

日曜の午後のジムはクライミングを趣味にする大人たちや
親子連れで賑わっていた。
初めてジムに来た人も多い。
それでも、みんながそれを自然に受け入れてくれる。

ジムに漂う空気は至って穏やか、
笑いに溢れ、笑顔に溢れている。

「気軽にクライミングを楽しんで欲しい」と小川さんは常々言っている。
彼と話し、ジムで壁に取り付いていると、
フリークライミングと言うスポーツが、
ぐっと身近に感じることができる。

今回、僕は草野球の仲間、妻、娘とここに来た。
娘以外は初心者のようなものだが、
みんなそれぞれのペースで壁と向かい合っている。
真剣な眼差しあり、悔しさあり、笑いもありだ。

小川さんは変わらぬ笑顔で、それを見つめ、
時に前向きなアドバイスをしてくれる。

本物であることに有名も無名もない――

彼の逞しい背中がそんな風に語っているようだった。

※クライミングジム『アラジン』
http://www7a.biglobe.ne.jp/~aladdinclimbing/climbinggym.html

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