いかつい体躯でひたすらゴールを目指す若者がいた。
10月21日、静岡県裾野市にある運動公園――
日本一の山が光っている晴天だった。

その日、次男のリクエストで僕たちは裾野市へと向った。
全国高校サッカー選手権、静岡県大会の二次リーグ。
その若者を見るためにここに来たわけではない。
勿論、面識はないし、彼の存在すら知らなかった。

「おっ!」
次男が思わず叫ぶ。目当ての試合の前の試合のことだ。
ドリブルを駆使し、貪欲に疾走する背番号9がいた。
彼はその左足と右足から1点ずつをもぎとり、
チームの勝利に貢献する。
若者のドリブルは僕の記憶に中に確かな足跡を残してくれた。

そして、11月20日。
ニュースです――静岡に住む知人からの連絡だった。
知人に教えられたアドレスをクリックする。
驚いた。ニュースは裾野で見た若者のことだった。
どうやら、その彼がスペインのプロリーグへと
旅立つことが決まったらしい。
日焼けした顔の中、きりっとした眼差しが、
遠くを見つめるように輝いている。

夢に一歩近づいた――

若者は記者会見でそう言ったらしい。
成功の確証のない厳しい世界への自分自身で決めた一歩。
それは彼にとっては小さな一歩かもしれない。
でも、その一歩を踏み出したことを
僕は心から称えてあげたい気持ちになった。

コメント

メイ
メイ
2007年11月21日18:56

今朝の新聞の彼も、凛々しく輝いていました^^
御兄弟の夢の励みになれば、幸いです。

羽生遊
羽生遊
2007年11月22日16:32

メイさんへ
うちの新聞にはスポーツ欄の下のほうに、
小さいながらも、しっかりと載っていました。
2人の息子にも読ませました。
きっと、サッカーボーイたちの励みになりますね。

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索