夜がどんどん更けていくにつれ、
のりまきと周りの人たちとの距離も近づいていく。
もうこうなると、久しぶりも初対面もない。

 余裕のない日々の足取り
 ストレスで重くなる
 音楽よ
 傷ついた魂を暖かく包み込み給え
 ――「ミッキーちゃん」より

 思わず自然にこぼれる 笑顔 嬉しい
 なんでもないようなメロディ、
 やさしいリズムに救われるよ 素直に
 ねぇ本当だよ
 ――「STYLE」より

音楽の力ってなんだろう――
ちょっと深く考えてもみた。
でも、そんなことを考えるのは止めた。
今の気分が良ければ、それでいい。それだけで十分だ。

突然、のりまきの力強い声が聞こえた。
僕だけかもしれない。「約束」という歌。

 歌声が風に消される
 引き返すことできるかな?
 約束をもう忘れてる
 僕らは何をしているんだろう
 ――「約束」より

歌って、歌詞だけじゃないんだよな――。

昔、のりまきに言われた言葉を思い出した。
「約束」は言葉よりも、彼の声が僕の中に届いていた。

【つづく】

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