17年前の6月8日。長男が生まれ、僕は父親になった。
どんよりとした日、妻の実家近くの富士市の産院での出産予定は僕ら夫婦だけ。
静かな廊下でひとりその時を待った。

夜の7時過ぎ、かすかな生命の声と共に、
助産師の手に抱かれた息子のリョウがそっと僕に手渡された。
僕の両手にいる息子はあまりにも小さく、それでももぞもぞと動いている。
「元気な男の子ですよ」
しっかりと前を向き、何かを掴もうとするように動きを止めない。

息子を助産師に預け、妻を待つ。
驚いた。出産してすぐだというのに妻が助産師に支えられて歩いてくる。
「良かったな」
今度は僕が妻の体を支え、病院の階段を昇る。

あれから――
リョウは成長し、高校2年生になった。今日はサッカーの試合だ。
バースデーゴールを決めたかどうかは、まだわからない。

コメント

naochan
naochan
2008年6月9日1:13

夫殿が憶えてくれていることが
何より、妻には嬉しいものです。

もちろん、リョウ君は、間違いなく。

おめでとう、リョウ君、そして、父親17年目おめでとうございます。

羽生遊
羽生遊
2008年6月11日9:08

naochanさんへ
次男の時は現場にいられなかったのですが、
どの子どもの時も、その日は鮮明に憶えています。
命の大切さを、いつまでもしっかりと
記憶に留めておきたいと思っています。

温かいメッセージ、ありがとうございます。

メイ
メイ
2008年6月11日21:13

リョウ君、お誕生日おめでとうございます。

子供達が離れた今、もうその日を隣で一緒に祝うことはない我が家ですが、場所や時間は違えど、その日に想いを馳せ祝う気持ちは、これからも届いてくれるといいな〜と思っています。

羽生遊
羽生遊
2008年6月12日14:22

メイさんへ
メッセージ、ありがとうございます。
そうですね。メイさんのお家は息子さんたちが、
それぞれ1人暮らしですからね。
離れていようが、一緒に住んでいようが、
親が子を思う気持ちに全く変わりはないですよね。
メイさんに思い、きっと届いていますから。

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