父親と次男と僕、山に囲まれた山奥の温泉に浸る。
夏の陽射しは眩しいが、涼しい空気が心地良い。
部活で来られなかった長男のことをふと思い出す。

根古屋城温泉――多分、知る人ぞ知る温泉だと思う。
癒しの時間が流れる中、父親や家族とただのんびりと話す。

温泉の帰り道、父親の握るハンドルの横、
ラジオから戦没者追悼の様子が流れて来た。
終戦記念日、その日父親にどうしていたのかを初めて聞く。
車の後ろでは妻や次男が耳をそばだてている。
「人間はいつまでも頭が悪いな」と父親がポツリという。

昼食を済ませ、父親の家に着く。
父親は昼寝、妻と娘はテレビでオリンピック。
僕は次男と近くの運動公園にサッカーとキャッチボールをやりに行く。
子どもが小さい頃から群馬に来ればここで遊んでいたが、
自分の衰えと子どもの成長を改めて実感した。

汗びっしょりの体のまま、草の上に大の字なって寝る。
重い体に草が刺さるが、それが気持ち良くもある。
赤城山が見える。夕立がありそうだ。
「さぁ」と重い腰を上げた。

※根古屋城温泉
http://spa.s5.xrea.com/broom/gunma/nekoyaf.htm

コメント

naochan
naochan
2008年8月19日9:03

有意義な8月15日になったようですね。

お父さまのお話、私もお聴きしたかったです。

羽生遊
羽生遊
2008年8月20日9:38

naochanさんへ
忘れてはいけない日、
語り継がなければいけないこと、
たくさんあると思います。

その日、また10代前半の父親は終戦を
静かに受け止めていたようです。
でも、二度と戦争は起こしてはいけないと、
63年後のその日も、僕らに強く伝えていました。

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