なぜ、岩を登るのか
木々に囲まれた静寂の空間と澄み切った空気。
クライマー達たちの声が、山の奥へと響いています。

11月2日、好天の日曜――。

僕は娘のユイのアウトドアクライミングに同行しました。
メンバーはいつも習っている福山先生に仲間のミホちゃんとお母さん。
1つ年下のミホちゃんとユイはクライミングが大好き女の子です。

西武池袋線の飯能駅から車で約30分、そこから山の中を歩いてまた30分。
目指す岩場は埼玉県の山の中、河又というところ。
腹ごしらえもそこそこに、2人は早速岩場に取り付きました。
大人顔負けの2人のクライミングに僕はただただ驚くばかり。
高さ15mの岩壁にへばりつき、一手一手一歩一歩。
小さな体と自分の頭で、試行錯誤を繰り返しながら登っていきます。

福山先生の指導の根本は子どもの自主性を重んじ、
自己決定や自己責任の芽を育むこと。
難しい課題に直面した時にチャレンジすることや諦めることも、
基本的には子ども自身の心に委ねています。

「羽生さん、子ども達を連れて先に山を下りていて下さい」
時はあっという間に森の暗黒が迫る時間になりました。
2人とも、それぞれに4本ずつ。
充実感と課題を胸に2人のクライミングの日曜が終わりました。

なぜ、岩を登るのか――。
そんな問いかけは、無意味なことのように思えました。

コメント

メイ
2008年11月4日7:13

まったく角度のない目が眩みそうなところですね。
先に進む勇気、戻る勇気、
どちらも大切な決断だと思います。
それを見守る羽生遊さんもすごい!

羽生遊
2008年11月5日10:43

メイさんへ
メイさんの息子さんは山岳部でしたよね。
山岳スポーツはやはり危険が多いので心配は確かにあります。
僕もインドアでは何回かやったことがあるんですが、
外岩はより勇気としっかりした判断力が必要です。

娘がいつまで続けるのかはわかりませんが、
クライミングが好きなうちは、
ずっと見守っていようと思っています。

日本のクライミングはまだ認知度が低いとは思いますが、
ヨーロッパでは広く一般人に普及されているようです。

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