正月、高校サッカーと家族五人

１月３日、大津対藤枝東――。
珍しく家族五人揃った高校サッカー観戦は待望の好カードになりました。

静岡出身の妻は藤枝東の応援、
長男のリョウと次男のケンは二人に関わりのあるＫ君がいる大津の応援。
娘のユイは雑誌を片手にイケメンを探しながらの観戦です。

試合は積極的な攻守の大津が前半を２対〇で折り返しました。
「３対〇で大津だな」と次男。
「いや、わかんねぇぞ」と僕。
「大津……強いね」と落胆気味の妻。

後半、スイッチの入った藤枝東のスピードある攻撃。
開始早々に１点を返して一気に藤枝東のムードになります。

その少しあと――
「おっ！　おうー！」と長男と次男。
交代で入った大津の１５番の選手が、
スピードあるドリブルで右サイドを切り裂いていくと、
あっという間に１点をもぎ取ります。
どうやら、彼は大津の切り札のようです。

終了間側まで諦めない攻撃で藤枝東が１点をもぎ取りますが、
結局、３対２で大津の勝利。
がっくりとグラウンドに倒れる藤枝東イレブンと歓喜の大津イレブン。
いつもながら、どちらにも心から拍手を送りたい気持ちに駆られます。

「Ｋ、いるかな」とリョウ。
出場はなかったものの、強豪大津で立派にベンチ入りを果たしたＫ君。
リョウにとっては小学校時代のチームメート、
ケンにとっては現チームの先輩。
「いた！　いた！」
Ｋ君は応援席に挨拶に行く大津の選手の列の中に確かにいました。

「――さぁ、行くか」
茜色の陽射しが三ツ沢の空を染めていきます。