引き合わせの夜
ある人が僕たちを久しぶりに引き合わせてくれた。
高校時代の同じバドミントン部だった4人。

事を終え、のれんをくぐり、生ビールをみんなで飲む。
向かいにはダブルスを組んでいた水と油のモトとヤス。
となりには僕のパートナーだったキンちゃん。

ヤスは相変わらず豪快にジョッキを空け、
モトは昔のようにねちねちと語り出す。
僕と同年代の子供がいるキンちゃんは近頃の高校生の話になり、
娘さんの自慢話に少しばかり花が咲く。

仕事が残るモトとはここで別れ、もう一軒、3人で飲む。
ヤスの父親が通っていた六文銭という名の居酒屋は、
じっくりと語り合うにはぴったりの店だ。

酒の強い2人は吹っ切れたように熱燗を1本、2本、
「Oが引き合わせてくれたんだから飲むぞ」とヤス。
バドミントンを続けているキンちゃんは、
ほろ酔いに任せてバドミントンの話に熱が篭る。
気がつけばラストオーダー、誰が言うでもなく店を出る。

「こんなに飲んだのは久しぶりだな」とヤスが言えば、
キンちゃんが気分良さそうに笑っている。
ひんやりとした夜風が気持ち良い。

駅前で地元のヤスと別れ、キンちゃんとホームへと向った。
反対方向のキンちゃんが一足先に去った後、
人気の少なくなったホームで、Oのことを思い出す。

コメント

naochan
2009年4月14日19:06

お気持ち、お察しします。

羽生遊
2009年4月16日9:36

naochanへ
結局僕は何もしてあげられなかったのですが、
共に青春のひと時を過ごした思い出を、
大切にしたいと思っています。

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