終了のホイッスルが鳴り、
グラウンドに重い空気が流れた。

ぐったりとするイレブン。
寝転んだまま起き上がれないキャプテン。
ベンチのメンバーも泣いている。
審判に促され、ようやく挨拶のための整列をする。

泣きながら、うな垂れながら、
応援の親たちに頭を下げる。

「3年間、応援ありがとうございました」
キャプテンの精一杯の声。
頭を下げる子供たち。

親たちが拍手を送り、
母親たちも涙を溜め、
このチームが終わった。

素晴らしいチームだった。

「負けたのは俺のせいだ」

帰宅してのケンの一声がこのチームの言葉だと思う。
その夜、まんまるの月が輝いていた。

コメント

おふく
2009年11月6日1:01

羽生遊さん、こんばんわです。

秋戦1、2、3、より今試合まで一喜一憂しておりました。
私はスポーツに関しては疎く、あまり団体行動が得意ではないので「私みたいなモンが・・・」と思い、つたないメッセージは控えていたのですが・・・

心がシュッとしました。
ですので、メッセージを送りたいと思いました。

チームは終わってもその素晴らしさは唯一無二、ケン君の中で永遠に残る貴重な時間だったと思います。

>ケンの一声がこのチームの言葉だと思う。
”サッカーは一人ではできない、皆が揃って初めてできるスポーツだ”
そんな言葉を思いだしました。


追伸:私のメッセージに気分を害されたらすみません。

nophoto
窓際淳司
2009年11月7日1:40

某川崎Fの選手に見せたい光景ですね。

英国ではトーナメント戦の決勝戦に勝ち上がってきたチームを「Finalist」として称えられます。
もちろん、Winnerは最も称えられるでしょうが、負けてしまったチームにも大きな拍手・声援があります。
しかし、暴挙に出た某チームはそういったスポーツマンシップを忘れていたのでしょう。
もし彼らが勝っていたのなら……Finalist、Winnerに相応しかったかどうか、疑わしいと思います。

ケン君の言葉、川崎某らにも届いてほしいですね。

羽生遊
2009年11月7日9:23

おふくさんへ
心温まるメッセージ、本当にありがとうございます。
あと一歩のところで、チームは負けてしまいましたが、
おふくさんの言うようにケンたちは貴重な時間を過ごせました。

ケンの帰宅後の一声を聞いた時、僕は子の成長を感じました。
またひとつ追い越されたなと(笑)。

人は関係の中で生きていると、
レクリエーションワーカーの友人は言います。
子供たちを見ていると、そんな学びの場での喜怒哀楽が、
大人になった時に生かされるんだなと思います。

おふくさんの言葉、ケンにも伝えたいと思います。

羽生遊
2009年11月7日9:30

窓際淳司さんへ
僕もあの川崎の一件には首を傾げました。
スポーツにおいて、共に全力を傾けて戦った時、
勝敗以上のものが存在すると僕は思います。

ケンたちのチームの最後になってしまって試合は、
本人たちも、見ている僕たちも確かに悔しさはありましたが、
それ以上の清々しさがあったことも確かです。

”サッカーは一人ではできない、皆が揃って初めてできるスポーツだ”
コメントをくださったおふくさんの言葉、
シンプルだけど心に響きますよね。

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