何が起こったのだろう。

演技をやめたスケーターは、
童顔を曇らせて審判へと静かに近づいた。

切れた靴紐。

メダルの可能性を逸したスケーターは、
残りの時間をどんな気持ちで滑るのか――。

テレビの画面を見ながら、
僕は彼の思いを探ろうとした。

金メダル、銀メダル……

いや、そんなものではない。
靴紐が切れたぐらいで、
彼の足跡は絶対に消えない。

分断された時間のあとも彼は精一杯滑った。
その姿はどのスケーターよりも、
熱く清々しく、僕の目には焼きついた。

コメント

メイ
2010年2月19日22:32

羽入遊さん

こんばんは^^
私も、あの状態で元の流れに戻れるのか心配というより、不可能に近いと思っていましたが、中断前と変わらぬ彼の揺るがない目線に、安堵し感動しました。

おふく
2010年2月20日1:51

羽生遊さん、こんばんわです。

まだ映像では見ておらず、新聞でそれを知っただけなのですが・・・
”中断時、みるみる観客席より拍手があがった。彼はその期待に応えるかのように、リンクへ再び登場した。その笑顔は爽やかであった”(19日某新聞より)

その精神力に脱帽。”頑張ったで賞”をあげたいですね。
と・・・、私にしては可愛く似合わないコメントでしたね(汗)

羽生遊
2010年2月20日17:18

メイさんへ
こんにちは。
昼休みにライブで見ていたのですが、
あの瞬間、僕は彼の心の中ばかりを追いかけていました。
テレビからはわかるはずもないのですが、
残りのスケート、本当に素晴らしいものでした。

インタビューではボロボロに泣いていましたが、
オリンピックに挑む選手の重みを感じました。

羽生遊
2010年2月20日17:23

おふくさんへ
こんにちは。
おふくさんのいうように、本当に頑張った賞です。

スポーツを見る時にどうしても結果にとらわれがちですが、
その結果の裏に隠されているものを、
僕らは感じる必要があるのかもしれません。

メダルが取れた取れないだけでない、
オリンピックを見る楽しみ、応援する楽しみが、
きっとあるはずですからね。

あのシーン、カナダのファンも温かかったです。

メイ
2010年2月22日17:51

羽生遊さん

吉報です♪
日曜日の新人戦決勝、G高悲願の初優勝です!

naochan
2010年2月22日18:01

4年に一度のチャンスで、やっと出場できたリンク
彼の後ろには、たくさんのスケーターが居たことでしょう。

それなのに、思いがけない出来事
心が折れそうになるのを必死でこらえ、
最後まで滑りきった彼に拍手でした。

人生って、本当に何があるかわからないものですね。

羽生遊
2010年2月22日22:04

メイさんへ
そうですか!
文武両道のG高がとうとう王国の覇者になりましたね。
サポートしていた後輩たちも喜んでいると思います。
更に春、夏、選手権ですね。

羽生遊
2010年2月22日22:09

naochanへ
彼と競い合ったスケーターたちの、
思いも篭った演技だったと思います。

だからこそ、靴紐が切れても尚、
自分を出し切ったスケートができたのだと、
僕は思います。

確かに人生って、わからないですね。
だからこそ面白いんでしょうね。

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