特権
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そうだ、選手権に行ってみよう――

朝、目覚めて思い立ち、三ツ沢に向った。
珍しくひとりきりの日曜だ。
予定は未定、そんな時は思いつきで行動するのも悪くない。

高校サッカー選手権の神奈川の決勝は、
私立強豪対公立の雄、日大藤沢対座間だった。

決勝に相応しい緊迫した好ゲームだ。
夢へのたった一枚のチケットを巡って、
全力を振り絞っているのが遠い観覧席からもはっきりとわかる。

フィールドを走る選手、ベンチで声を出す選手。
このメンバーに名を連ねることは強豪校にあってそれは勲章だろう。

でも、絶対に忘れてはならないのは声を嗄らし、
同じユニフォームを着て応援し続けるスタンドの部員達だ。

試合でフィールドを走る時間よりも、
放課後のグラウンドで汗まみれ泥まみれになる時間の方が、
高校生たちにとっては圧倒的に多い。

だからこそ、フィールドに立てなくとも、
ベンチに座れなくとも、胸を張れと僕は思う。
それは3年間、サッカーをやり切った若者だけの特権だから。

試合は延長では決着がつかず、PK戦にもつれ込んだ。

勝って泣き、負けて泣く。
それもまた精一杯だった若者たちの特権だ。

コメント

メイ
2010年11月16日18:56

羽生遊さん

静岡も日曜日が、決勝戦でした。
PKは、残酷ですが、それもサッカーのうちですね。
今年は、色々あって足を運べないうちに終了してしまいました。
私は、試合前の全員で組む円陣を見るたびにウルウル・・・してしまいます。

羽生遊
2010年11月18日17:59

メイさんへ
静岡は名門同士の決勝となって、盛り上がったでしょうね。
代表になったS学は注目のチーム、選手権が楽しみですね。

>試合前の全員で組む円陣を見るたびにウルウル

この瞬間は僕もしびれます。
これからどんな試合になるのか、ワクワクするし、
純粋に勝利を目指す高校生たちに胸が詰まります。

何だかんだ言われても、若者のスポーツはいいですね。

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