人だかりが見える。
手前には黒塗りの車数台、テレビカメラ、野次馬達……

東京駅近くの大通り、
その向こうには福島県のアンテナショップがあった。

政治家ね、と通行人の声。

SPに守られながら、
店からグレーの背広の宰相が見えた。

メディアに叩かれ続ける宰相。

きっと優しい人だな――

これが僕の彼への第一印象だった。
その眼差しはあまりにも庶民的だ。

「誰?」

隣の妻が聞いてきた。

「Kさんだよ」

KさんにはSPも黒塗りの車も不釣合いに思えた。

コメント

naochan
2011年5月10日23:00

たぶん、ずいぶんとお疲れでしょうね。

歴史に残る今を任されておられるんですもの。

おふく
2011年5月12日23:46

羽生遊さん、こんばんわです。

何度かコメントさせていただいたのですが、書いては消しで。
あーでもない、こーでもないと自問自答しているうちの削除で。

私的には文句しか出てこないのです。
でも、コメントしているうちに、なんだか見苦しくなってきて。
「この人も頑張っているはずなのに・・・」と。

今の、この人の笑顔を見ていると、日本で一番弱弱しい笑顔に見えてならない。

なんでしょうね・・・・
どうしたら、この人も皆も救われるんでしょうかね・・・

すみません、なんかまた変なコメントになってしまいましたが、これが最大に言いたいことです。すみません。

羽生遊
2011年5月13日17:15

naochanへ
今回の震災に関しての対応は、
誰がやっても、答えのない答えを求めていくような仕事で、
批判こそあれ、賞賛されることはないのかもしれません。

naochanの仰るように、
僕が一瞬見た首相の表情は確かに疲れていました。

羽生遊
2011年5月13日17:24

おふくさん、こんにちは。
コメントにご苦労をかけてしまったようですみませんです。
実は僕もこの日記を書くにあたっては色々と悩みました。
結果的には当たり障りのない文章になってしまったのですが、
テレビでも新聞でもない、自分が見たささやかな事実を、
とりあえず書き留めておきたい気持ちでした。

こんな些細な日記ですが、
おふくさんのようにコメントで悩み、
僕は書くことで悩みました。
でも、この震災の今後は悩み考え続けることに、
意味があるのだと思います。

僕は首相を全面的に支持しているわけではありませんが、
少なくとも大いに迷い、苦しんでいることは確かで、
人としてそのことが凄く大事だと思っています。

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