選手権からの贈り物・4
2012年10月3日 選手権からの贈り物「頑張れ!」
相手のコーナーキックの合間、
水を飲む3年生のDFリーダーに声をかけた。
彼が力強く頷き、ポジションにつく。
思わず声をかけずにはいられなかった。
10人になってからのチームは劣勢だった。
相手の分厚い攻撃に体を張った守りが続いていた。
両チームの声援に途切れることはなく、
母親たちの高い声がピッチに響く。
チームはワントップの3年生に変わって、
同じく3年の小柄なエースが投入された。
本来ならば勿論スタメン。
少ないチャンスを彼の突破に託す思いだろう。
交代後間もなく、右サイドに開いたエースにボールが渡る。
3人に囲まれながらも、得意のドリブルで間隙を縫う。
しかし、決勝のゴールは遠かった。
そして、終了間際――
必死の守りの気持ちが、相手の攻めの気持ちに破られる。
2対3。
思いの外、静かなピッチ、
お互い全てを出し切っての勝ちであり、負けだった。
【つづく】
相手のコーナーキックの合間、
水を飲む3年生のDFリーダーに声をかけた。
彼が力強く頷き、ポジションにつく。
思わず声をかけずにはいられなかった。
10人になってからのチームは劣勢だった。
相手の分厚い攻撃に体を張った守りが続いていた。
両チームの声援に途切れることはなく、
母親たちの高い声がピッチに響く。
チームはワントップの3年生に変わって、
同じく3年の小柄なエースが投入された。
本来ならば勿論スタメン。
少ないチャンスを彼の突破に託す思いだろう。
交代後間もなく、右サイドに開いたエースにボールが渡る。
3人に囲まれながらも、得意のドリブルで間隙を縫う。
しかし、決勝のゴールは遠かった。
そして、終了間際――
必死の守りの気持ちが、相手の攻めの気持ちに破られる。
2対3。
思いの外、静かなピッチ、
お互い全てを出し切っての勝ちであり、負けだった。
【つづく】
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