終ったんだな……

隣の長男と無言のまま、
応援団に挨拶をするケンたちを眺めていた。

「リョウ君と同じサッカーをやる!」

幼い頃に兄の影響で始めたサッカー、
高校最後の試合をその兄が見届けてくれた。
弟は兄を、兄は弟をリスペクトしていた。

妻が他の母親たちと笑顔で僕らのところに来た。
そのあとを追うようにケンたち3年生が、
応援に駆けつけてくれた先輩達に挨拶に来た。

その途中、ケンが僕らの近くに来る。
目が真っ赤になっている。

ケンが僕に手を差し出してきた。
僕も手の平をケンに差し出した。

目頭が熱くなる。

隣でリョウが笑っていた。

【おわり】

コメント

メイ
2012年10月8日20:45

羽生遊さん^^

勝っても負けても、結果以上に重要なのは全力を出し切れたかどうか・・・。
リョウ君の笑顔がすべてを物語っていますね。
みなさん、お疲れ様でした。

やっぱり、高校サッカーって最高☆
レポート、ありがとうございました。^^

羽生遊
2012年10月9日17:27

メイさんへ
全く私的な偏ったレポートを読んで戴き、
ありがとうございました。

ケンもリョウも高校サッカーを通じて、
経験したものは決して楽しいことばかりではなかったと思います。
でも、僕自身も思うのですが、
思い切りひとつのことに打ち込めるこの時期は、
高校生だからこその、贈り物がたくさんあったと思います。

いつも応援ありがとうございました。
メイさんのような温かいサッカーファンに、
サッカー少年たちが支えられ、育てられていると思います。
幼い頃から応援して戴き、ありがとうございます。

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