夏の終わりのフリッパーズ・江ノ島フリッパーズ第5戦より
2013年9月8日 江ノ島フリッパーズ
Jリーグが誕生した頃からサッカー少年を取り巻く環境は大きく変わった。プロを目指す子供たち、プロを目指させる親たちが増えた。それゆえ、少年時代に指導環境に恵まれたJリーグの下部組織や強豪校に入ること、またトレセンと呼ばれる強化選抜になることをひとつのステータスと考える人たちも増えた。
反対にサッカーそのものを純粋に楽しめる環境は狭まってしまったと言えなくもない。その功罪はともかく、フリッパーズのメンバーも少年時代からそんな環境の中に晒されてきた。競い合い、時に涙を流しながら、自分たちを必死に高めてきた。
今のフリッパーズにスタメン、サブの垣根はない。頼るべきコーチングスタッフはいないが、ことサッカーに関してはリスペクトし合い、お互いの長所を引き出し合い、ひとつのチームとして繋がろうとしている。だから、ここまでの3試合、交代枠は全て使い、スタメンも毎回違っている。それが「江ノ島フリッパーズ」と言うチームなのだ。
9月1日、晩夏の陽射しが、最後の力を振り絞るように乾いたピッチに降り注いでいる。不戦勝を挟んでのフリッパーズの第5戦は同じく新規参入の若いチームとの全勝対決だった。2部昇格を目指すフリッパーズにとって、負けられない1戦を早くも迎えることになった。
この夏、フリッパーズのメンバーは時間を合わせ、グラウンドを点々としながらもこつこつと練習を積んできた。お互いのアルバイトの時間を調整し、学生の特権である夏休みを最大限に利用して、チーム力の向上を図ってきた。
今回の対戦相手はフリッパーズ同様、若いチームだが、試合前の練習を見ていても、それぞれがしっかりとした技術を持っている。簡単には勝たせてくれないだろう。暑くて熱い試合になるに違いない。
フリッパーズはその日のキャプテン役を中心に、みんなで話し合って戦い方を決める。試合前のミーティングも笑顔を交えながらも程よい緊張感に包まれたフリッパーズ独特の雰囲気が漂っていた。
全勝対決のホイッスルが鳴った。
お互いの集中力がピッチの外にも伝わってくる。やや慎重なスタートと言ってもいいかも知れない。たった1回の小さなミスが、勝敗を決してしまうような張り詰めた空気がある。ただ、膠着した序盤の戦いの中にあっても、フリッパーズは丁寧にボールを回し、攻守の切り替えへの意識の高さを保ち、徐々に徐々に相手ゴールを脅かしていた。それはボクシングにおけるボディーブローにように、じわりじわりと相手のスタミナを削ぎとるようでもあった。
前半も終盤に差し掛かろうとする時、右サイドR君からセンタリングを長身のワントップのM君がヘディングで押し込んだ。絵に描いたようなビューティフルゴール、主導権を握ったフリッパーズは前半終了間際にも相手のミスに乗じて、M君が2点目のゴールを決めた。
後半に入ってもフリッパーズの攻勢は変わらない。相手チームも必死のプレスで、ボールを奪い取りにかかるが、なかなかシュートまでは至らない。それでも相手チームは決して引いて守るわけではなく、あくまでも攻めの姿勢でフリッパーズと激しく渡り合っている。
Jリーグを頂点としたピラミッドの図式においては、最底辺に位置する県の社会人リーグ3部の試合、それでも目の前の1勝を目指して、全力を出し合う両チームの戦いは清々しい。結局、試合はその後1点ずつを取り合い、3対1でフリッパーズが勝った。
不戦勝を挟んでの開幕5連勝、暫定ながらフリッパーズはここでグループ首位に躍り出た。
反対にサッカーそのものを純粋に楽しめる環境は狭まってしまったと言えなくもない。その功罪はともかく、フリッパーズのメンバーも少年時代からそんな環境の中に晒されてきた。競い合い、時に涙を流しながら、自分たちを必死に高めてきた。
今のフリッパーズにスタメン、サブの垣根はない。頼るべきコーチングスタッフはいないが、ことサッカーに関してはリスペクトし合い、お互いの長所を引き出し合い、ひとつのチームとして繋がろうとしている。だから、ここまでの3試合、交代枠は全て使い、スタメンも毎回違っている。それが「江ノ島フリッパーズ」と言うチームなのだ。
9月1日、晩夏の陽射しが、最後の力を振り絞るように乾いたピッチに降り注いでいる。不戦勝を挟んでのフリッパーズの第5戦は同じく新規参入の若いチームとの全勝対決だった。2部昇格を目指すフリッパーズにとって、負けられない1戦を早くも迎えることになった。
この夏、フリッパーズのメンバーは時間を合わせ、グラウンドを点々としながらもこつこつと練習を積んできた。お互いのアルバイトの時間を調整し、学生の特権である夏休みを最大限に利用して、チーム力の向上を図ってきた。
今回の対戦相手はフリッパーズ同様、若いチームだが、試合前の練習を見ていても、それぞれがしっかりとした技術を持っている。簡単には勝たせてくれないだろう。暑くて熱い試合になるに違いない。
フリッパーズはその日のキャプテン役を中心に、みんなで話し合って戦い方を決める。試合前のミーティングも笑顔を交えながらも程よい緊張感に包まれたフリッパーズ独特の雰囲気が漂っていた。
全勝対決のホイッスルが鳴った。
お互いの集中力がピッチの外にも伝わってくる。やや慎重なスタートと言ってもいいかも知れない。たった1回の小さなミスが、勝敗を決してしまうような張り詰めた空気がある。ただ、膠着した序盤の戦いの中にあっても、フリッパーズは丁寧にボールを回し、攻守の切り替えへの意識の高さを保ち、徐々に徐々に相手ゴールを脅かしていた。それはボクシングにおけるボディーブローにように、じわりじわりと相手のスタミナを削ぎとるようでもあった。
前半も終盤に差し掛かろうとする時、右サイドR君からセンタリングを長身のワントップのM君がヘディングで押し込んだ。絵に描いたようなビューティフルゴール、主導権を握ったフリッパーズは前半終了間際にも相手のミスに乗じて、M君が2点目のゴールを決めた。
後半に入ってもフリッパーズの攻勢は変わらない。相手チームも必死のプレスで、ボールを奪い取りにかかるが、なかなかシュートまでは至らない。それでも相手チームは決して引いて守るわけではなく、あくまでも攻めの姿勢でフリッパーズと激しく渡り合っている。
Jリーグを頂点としたピラミッドの図式においては、最底辺に位置する県の社会人リーグ3部の試合、それでも目の前の1勝を目指して、全力を出し合う両チームの戦いは清々しい。結局、試合はその後1点ずつを取り合い、3対1でフリッパーズが勝った。
不戦勝を挟んでの開幕5連勝、暫定ながらフリッパーズはここでグループ首位に躍り出た。
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