5月3日、群馬県東吾妻町、岩櫃城跡――
溢れる緑の中、84歳の父親と2人、その地に足を運び、
真田氏上州の拠点で歴史に思いを馳せていた。

標高802mの岩櫃山山頂まではあと1km。

その案内板を見た父が呟いた。
「山頂まで行ってみるか」
しばし思いを巡らし、僕は言った。
「今日のところはやめとこうよ」

登ろうと思えば登れぬ距離ではない。
チャレンジ精神が旺盛な父からすれば、
格別と言われる山頂の眺めが見たくなっても不思議ではない。

「そうだな……また今度にするか」
「山頂は来年の5月、登りに来ようよ」
「そうだな」

健脚と言えども、山を歩ける人としての父に、
そんなに時間はないだろう。

この場に僕の子供たちがいれば、
また、違った答えが出ていたのかもしれない。

コメント

naochan
2016年5月9日10:13

連休中の親孝行ですね。

息子に従われるお父様もステキです。

次回は、きっと、山頂へ。その健脚が維持されて
お孫さん達とともに、素晴らしい眺めをご覧なることができたら
いいですね。

羽生遊
2016年5月9日17:34

naochanへ
親孝行と言うよりも、自分が楽しんでいるのが本当のところ(笑)
真田丸の舞台にもなった岩櫃城跡はたくさんの観光客で溢れてました。
岩櫃山は低い山ですが、9合目からは鎖場もあり、
果たして来年到達できるかどうか。
無理せず楽しめればと思っています。

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索