重く、心の奥底から怒りに震える本でした。
作者の伊藤詩織さんの記者会見を見てから、心の奥に引っかかっていた真実。

書店に行き、買うか、どうしようか何度も迷った本でした。
ただの興味本位で読んではならないと、自分自身を戒めました。

この本はご自身のレイプの体験を基にしたノンフィクションです。
部外者の僕が言うのは大変、失礼かもしれませんが、
真実のみで語られた魂のノンフィクションです。

伊藤さんはレイプされた相手を告発する為にこの本を書いたのではありません。
今までレイプにより、多くの人たちが苦しめられてきました。
そして、報われないままに泣き寝入りをしたり、
示談を強制され、虐げられることも多くあったと記されています。

伊藤さんの場合も、相手は逮捕状が出ていたにも関わらず、
警視庁トップからストップがかかり、書類送検されるも不起訴となりました。
何故なのか――

その現実を知って欲しいと願い、そして何よりも、
「どう起こらないようにするのか」
「起こってしまった場合、どうしたら助けを得ることができるのか」という、
未来の話をしたいと、伊藤さんはこの本に綴っています。

ご存知の方も多いかと思いますが、
この件に関して、伊藤さんは司法記者クラブで、
先日は日本外国特派員協会で記者会見を開きました。
今のところ、大手メディアの報道はごくわずかです。
何故なのか――

検察審査会で不起訴相当されたあとも
心ある援助者たちに支えられて、
今も尚、権力を振りかざした大きな闇と闘っています。

世の中には見過ごしてはならない真実がたくさんあります。
是非、一読した頂きたいノンフィクションです。

コメント

naochan
2017年10月29日18:51

たやすくコメント出来ないです。
でも、ずっと心に引っかかっています。
悔しさと共に。

羽生遊
2017年10月30日17:53

naochanへ
僕はこのことをブログに記すか迷いました。
でも、この本を自らの意思で世に送り出し、
読者と共に考える道を選んだ伊藤さんに敬服しています。

伊藤さんはこの本の中、真実のみを書き、
想像や思い込みで書いていることは一切ありません。
わからないことは、わからないと語っています。
顔を出し、あらゆる攻撃も承知の上で、
記者会見をし、本を出しました。
それに対して、相手の方は何かに守られたままです。

非常にデリケートなテーマへのコメント、
本当にありがとうございました。

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