寒さの緩みにほっとした師走の夜――恒例の「ラ・ベル・カンタービレ」のコンサートがJR鶴見駅近くのサルビア音楽ホールで開催された。「ベルカン」の愛称で親しまれている4人の女性によるミュージックベルアンサンブルは、2005年に誕生した。皆、家事や仕事の傍ら、楽しみながらもミュージックベルを極めようと真剣に取り組んでいる。主催コンサートも今年で8回目、横浜・川崎を中心に演奏活動を続けていて、2016年には日本ミュージックベル協会主催のコンテストで最優秀となる金賞を受賞した。
ハンドベルより少し小ぶりなミュージックベルの奏でる音は、透き通るように繊細で可愛らしい。その可愛らしい響きが4人の大人の女性たちの手によって、様々な音色へと彩られ、コンサートに訪れた人たちは、そのハーモニーへと身を委ねる。
コンサートの第一部はイタリア音楽をテーマに、クラシックを中心としたナンバーがゆったりとした時間の中で奏でられていく。「乾杯の歌」、「四季より 春・冬」、「アルビノーニのアダージョ」などが華やかに時にしっとりと、彼女たちの人生の息づかいまでもが、ベルの音色と重なり合うように響く。第一部最後の「フニクリフニクラ」では、軽快なアップテンポのリズムに乗って、会場に訪れていた人たちに笑顔が溢れていた。
「初めて来たんですけど、大正解でした」
休憩の時間、私は隣に座っていた紳士然とした初対面の男性に声をかけられた。近郊で行われているコンサートへと、気の向くままに足を運んでいると言う84歳の男性は「ベルカン」のことを公報で偶然、知ったと言う。その男性に見せて貰った手帳には、クリスマスシーズンとも相まって、様々なコンサートのチェックリストがびっしりと書き込まれていた。その中からこの夜、彼は「ベルカン」とのひと時を選んだ。
この「ベルカン」、昨年のクリスマスコンサートを最後にメンバーがひとり減り、現在の4人となった。家庭や仕事を持つ女性ゆえの事情もあるだろう。また、妻であり、母親である彼女たちは、すべてをミュージックベルに捧げられるわけではない。メンバーが去るのは、やはり寂しい。でも、去ったメンバーと創り上げたものは、彼女たちがずっと携えていく財産に違いない。
第二部はいきなりのパフォーマンスから始まった。
映画「スターウォーズ」の帝国のテーマを、騎士のコスチュームを纏ったピアニストが迫力満点に弾く。それに合わせて会場奥から他の3人の女性たちが同じく騎士の姿で厳かに登場した。会場からクスクスと笑いが漏れる。ライトセーバーに見立てたペンライトでポーズを決めた彼女たちに大きな拍手が沸き起こった。「ベルカン」のコンサートは、ただ聴かせるだけではない。羽織ったガウンをさっと脱ぎ、色とりどりの鮮やかな衣装の彼女たちが舞台の上で輝いている。
再び彼女たちがベルを持ち、「スターウォーズ」のメインテーマが響く。激しさと繊細さが共鳴するようにベルが躍る。続けて「美女と野獣」に「レット・イット・ゴー」。お馴染みの旋律が「ベルカン」オリジナルへと見事なまでに変貌を遂げていた。
※ミュージックベルコンサートvol.8「スターウォーズメドレー」
https://www.youtube.com/watch?v=ocTcKKgQzec
ハンドベルより少し小ぶりなミュージックベルの奏でる音は、透き通るように繊細で可愛らしい。その可愛らしい響きが4人の大人の女性たちの手によって、様々な音色へと彩られ、コンサートに訪れた人たちは、そのハーモニーへと身を委ねる。
コンサートの第一部はイタリア音楽をテーマに、クラシックを中心としたナンバーがゆったりとした時間の中で奏でられていく。「乾杯の歌」、「四季より 春・冬」、「アルビノーニのアダージョ」などが華やかに時にしっとりと、彼女たちの人生の息づかいまでもが、ベルの音色と重なり合うように響く。第一部最後の「フニクリフニクラ」では、軽快なアップテンポのリズムに乗って、会場に訪れていた人たちに笑顔が溢れていた。
「初めて来たんですけど、大正解でした」
休憩の時間、私は隣に座っていた紳士然とした初対面の男性に声をかけられた。近郊で行われているコンサートへと、気の向くままに足を運んでいると言う84歳の男性は「ベルカン」のことを公報で偶然、知ったと言う。その男性に見せて貰った手帳には、クリスマスシーズンとも相まって、様々なコンサートのチェックリストがびっしりと書き込まれていた。その中からこの夜、彼は「ベルカン」とのひと時を選んだ。
この「ベルカン」、昨年のクリスマスコンサートを最後にメンバーがひとり減り、現在の4人となった。家庭や仕事を持つ女性ゆえの事情もあるだろう。また、妻であり、母親である彼女たちは、すべてをミュージックベルに捧げられるわけではない。メンバーが去るのは、やはり寂しい。でも、去ったメンバーと創り上げたものは、彼女たちがずっと携えていく財産に違いない。
第二部はいきなりのパフォーマンスから始まった。
映画「スターウォーズ」の帝国のテーマを、騎士のコスチュームを纏ったピアニストが迫力満点に弾く。それに合わせて会場奥から他の3人の女性たちが同じく騎士の姿で厳かに登場した。会場からクスクスと笑いが漏れる。ライトセーバーに見立てたペンライトでポーズを決めた彼女たちに大きな拍手が沸き起こった。「ベルカン」のコンサートは、ただ聴かせるだけではない。羽織ったガウンをさっと脱ぎ、色とりどりの鮮やかな衣装の彼女たちが舞台の上で輝いている。
再び彼女たちがベルを持ち、「スターウォーズ」のメインテーマが響く。激しさと繊細さが共鳴するようにベルが躍る。続けて「美女と野獣」に「レット・イット・ゴー」。お馴染みの旋律が「ベルカン」オリジナルへと見事なまでに変貌を遂げていた。
※ミュージックベルコンサートvol.8「スターウォーズメドレー」
https://www.youtube.com/watch?v=ocTcKKgQzec
コメント