「ある男」平野啓一郎氏著 文藝春秋――

誰でも自分の人生に影響を受ける本が何冊かはあると思います。
最近、立て続けに2回読んだ「ある男」はそんな作品のひとつでした。

物語は「ある男」の足跡を辿りながら、綴られていきます。
ただ、この作品に出てくる登場人物は、自分の周りにいる誰かであり、
また、読者にとっても、どこか自分に似た人物がいるように思います。

主人公の男はある事故で命を落とします。
その男を愛していた妻は、その後、夫が全く別の人物だったことを知ります。
物語は「ある男」の過去を追い、取り巻く社会や人物たちに光を当て、
否が応でも、読んでいる自分をその物語へと誘います。

自分とは誰なのか、自分とは何なのか、どう生きようとしているのか――

人に寄り添うこと、人を理解しようとすること、人を愛すること。
そこから、自分自身へと思いを向かわせることの大切さを、
「ある男」から教えられたような気がします。

コメント

まるこ
2019年2月20日17:16

人生に影響を与える本。ですか…
読書嫌いを公言する私…そんな本に巡り会いたいものです。
これからでも遅くないでしょうかね??
情けない私です。

羽生遊
2019年2月20日18:44

まるこさんへ
うちのカミサンも読書嫌いを公言していまして、
「読書はめんどくさくてできな~い!」と謙さんのように言ってました(笑)

読書嫌いの方に無理強いするのもなんですが、
マンガでも大人が楽しめるものもあります。
そう言えば、カミサンは「ガラスの仮面」は気合い入れて読んでます。

naochan
2019年2月20日20:04

何だか、興味をそそられます。
実は、新聞の書評で買った本があまり
面白くなくて、つん読になってます(涙)

ついつい、映像に負けてしまうのです、ハイ。

羽生遊
2019年2月20日23:14

naochanへ
もし、お時間があったら読んでみて下さい。
面白い作品はたくさんありますが、自分自身を改めて見つめられる作品は、
そうたくさんはないと思います。
作品の好き嫌いは人それぞれで、無理強いはできませんが、
「ある男」はフィクションながら現実を感じて読むことができました。

naochan
2019年2月21日10:10

おはようございます。
うふふ、注文しちゃいました。
月曜日には、届くかと。楽しみです。

羽生遊
2019年2月21日17:20

naochanへ
こんにちは。
そうですか! きっとnaochanの感性で何かを感じられると思います。
平野氏の作品は初めて読みましたが、別の作品もと思いました。

ひとつだけ、僕は詳しくないので、斜め読みもしましたが、
音楽や芸術に関わる記述もあるので、naochanもより楽しめると思います。

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