「天上の葦」太田愛氏著・角川文庫より
2020年2月8日 エッセイ コメント (6)少し長い文章になりますが、小説の登場人物の言葉を全文引用させて頂きます。
「ひとつの国が危険な方向に舵を切る時、その兆しが最も端的に表れるのが報道です。報道が口を噤み(つぐみ)始めた時はもう危ないのです。次第に市井の人々の間にも、考えたこと、感じたことを口にできない重苦しい空気が広がり始める。非国民、国賊などという言葉が普通に暮らす人々の幅を利かせ始めるのは、そういう時です。
恐怖は、巨大な権力に抗するために連帯を断ち切ります。そしてどんな時代の報道の中にも進んで権力にすり寄る者たちがいる。自らの下劣さを処世術や政治力と思い違いをした人々です。批判の声は、権力の名を借りた暴力によって次々とねじ伏せられていく」・『天上の葦・太田愛著・角川文庫より引用』
これはあくまでも小説の中の言葉です。
でも、ご興味のある方は読んで頂きたい作品です。
人それぞれに、生き方や主義主張、物事に対しての思いはあると思います。
それでも、次世代に生きる人たちのために、
今を生きる僕たちに何ができるのか、何を残してあげられるのか、
読みながら真剣に考えてしまう作品です。
この本の中にも綴られていますが、
第二次世界大戦の最中、大本営発表という形で、
意図的に歪められ、間違った報道がし続けられました。
なぜなのか——
そのために310万人もの日本人、他国の多くの人々が言葉によって、
命を奪われたのかもしれません。
僕はどこにでもいる普通のオジサンです。
だからこそ、二度と同じ過ちを犯してはならないと強く感じています。
いわゆる右とか、左とか、与党とか、野党とか、無党派じゃなくて、
ただただ、市井に生きる僕たちにこれからの世の中は託されていると思います。
もちろん——
家族を愛し、日々を楽しみ、友達を慈しみですけどね。
「ひとつの国が危険な方向に舵を切る時、その兆しが最も端的に表れるのが報道です。報道が口を噤み(つぐみ)始めた時はもう危ないのです。次第に市井の人々の間にも、考えたこと、感じたことを口にできない重苦しい空気が広がり始める。非国民、国賊などという言葉が普通に暮らす人々の幅を利かせ始めるのは、そういう時です。
恐怖は、巨大な権力に抗するために連帯を断ち切ります。そしてどんな時代の報道の中にも進んで権力にすり寄る者たちがいる。自らの下劣さを処世術や政治力と思い違いをした人々です。批判の声は、権力の名を借りた暴力によって次々とねじ伏せられていく」・『天上の葦・太田愛著・角川文庫より引用』
これはあくまでも小説の中の言葉です。
でも、ご興味のある方は読んで頂きたい作品です。
人それぞれに、生き方や主義主張、物事に対しての思いはあると思います。
それでも、次世代に生きる人たちのために、
今を生きる僕たちに何ができるのか、何を残してあげられるのか、
読みながら真剣に考えてしまう作品です。
この本の中にも綴られていますが、
第二次世界大戦の最中、大本営発表という形で、
意図的に歪められ、間違った報道がし続けられました。
なぜなのか——
そのために310万人もの日本人、他国の多くの人々が言葉によって、
命を奪われたのかもしれません。
僕はどこにでもいる普通のオジサンです。
だからこそ、二度と同じ過ちを犯してはならないと強く感じています。
いわゆる右とか、左とか、与党とか、野党とか、無党派じゃなくて、
ただただ、市井に生きる僕たちにこれからの世の中は託されていると思います。
もちろん——
家族を愛し、日々を楽しみ、友達を慈しみですけどね。
コメント
羽生さんの意識の高さに毎回頭が下がります。
漠然とですが、私はこのままではこの国は破綻してしまうのではないか?
世界紛争がますます増えるのではないか??
と思って過ごしていますが、これと行った実行動は何一つしておらず。
ただ危惧するばかりで…。
そこへ持ってきて地球が壊れやしないか?
大きな自然災害に見舞われやしないか??
さらに不安になっております。
こうして羽生さんの問いかけを拝読する事でまた意識を新たにすべきだと痛感しました。ありがとうございます。
まるこさんも言われている様に、地球の気象変動による災害。
利害を越えて、地球規模での考え方をする時代だと思います。どうして、共存出来ないのかなぁ?
人間の弱点ですね。
我が国でも「桜」で誤魔化されているけど、もっともっと大変な議論が隠されているのではないかと思います。
学生時代、ゼミの先生が「新聞記事を信用するな」とおっしゃってました。
少し論旨がずれてしまい、申し訳ございません。
こんにちは。長い文章にお付き合い頂き、ありがとうございます。
誰もが、穏やかに暮らしたい、戦争なんて嫌だと思っているはずだったのに、
知らないうちに、大きな戦争になってしまったのが、先の大戦だったはずです。
まるこさんのように、危機感を持ち、このままでいいのかと危惧し、
漠然としてでもいい、不安感を持ち続けること。
これは凄く大切だと感じています。
当り前の幸せが当たり前でなくなること、
当り前に生きていることが、当たり前ではなくなること。
それは政治家でも実業家でもなく、僕たち一般人に託されていると思います。
考えがより深まりました。こちらこそ、ありがとうございます。
こんにちは。イランとアメリカの件、
naochanが仰るように何とか回避できそうなのも、
世論の強い反発の力も、少しは関わっているように思います。
果てのない欲望。人間の原動力ともなるわけですが、
地球規模で考える問題がここまで増えてしまった時、
人間の悲しき弱点は、足枷になっているようにも思います。
日常にあたふたしながらも、楽しみや喜び、共感を求めて、
どうすれば穏やかな暮らせるのかを、思い続けていることが、
きっと花開く時があると、能天気に思っています。
こんにちは。
日本でも言論統制があった時代があったことを、
直接知っている人が少なくなってきました。
ここで紹介した「天上の葦」の中では、そのことが詳細に綴られています。
知らなくとも、知ったことを次世代に伝えていくことは大切だと思います。
他国の言論統制、「桜を見る会」での政府の全然すっきりしない対応。
その裏には、表に出ては相当に都合が悪いものが隠されているのでしょう。
溢れ出る情報から真実を見極める力も、僕らには求められているのでしょうね