「心の傷を癒すということ」から
2020年4月6日 読書 コメント (4)今、僕たちは「いかに生きるのか」を問われているのかもしれません。
当たり前のことができずに、当たり前の思いを遂げられずに、
日常にもがいている人たちもたくさんいると思います。
もちろん、僕もそのひとりです。
「心の傷を癒すということ」——
阪神淡路大震災後の精神医療活動を描いたノンフィクション。
今に通ずることは何かないかと読んでいる本です。
前回、naochanのメッセージへの返信にも少し触れさせて頂きました。
少し長くなりますが、一部をご紹介させて頂きます。
——いずれにせよ、死者、被災者の人数といい、被害を受けた地域の広さといい、こんな大規模な都市災害は、これまでの災害精神医学の事例にはなかった。PTSD(心的外傷後ストレス障害)であっても、原因は単純ではない。私たちの体験しているのは、大規模な都市機能の崩壊に巻き込まれた〈心の傷つき〉なのである。
その意味で〈心のケア〉の問題は、たんに精神医療や精神保健の専門機関にのみ任された役割ではない。症状の重くなった人は病院を訪れるけれども、その背景には、病院にこそ来ないが、災害ストレスが心の傷になった人が何十万人もいる。心のケアは被災者全体に必要なのであり、そのためには被災者と接する業務を行っているあらゆる機関が、心のケアに自覚的であるべきだろう。
大げさだが、心のケアを最大限に拡張すれば、それは住民が尊重される社会を作ることではないか。それは社会の「品格」にかかわる問題だと私は思った。復興の中では補償や財産やローンなど、難しい問題が続出するだろう。ただでさえ、もめやすい事例である。そこに必ず不公平感が発生してくるだろう。納得のいかない結果に終わった人たちは、自分が尊重されていないと感じるに違いない。
〈心のケア〉がたんなるかけ声で終わらないためにも、具体的な方法論が今後ますます必要とされるのである。
——「心の傷を癒すということ」(安克昌氏著・角川ソフィア文庫)・第I部 震災直後の心のケア活動より引用
今、何を為すべきか、今、これから社会はどうあればいいのか。
僕たちはやはり「心」を試されているようです。
当たり前のことができずに、当たり前の思いを遂げられずに、
日常にもがいている人たちもたくさんいると思います。
もちろん、僕もそのひとりです。
「心の傷を癒すということ」——
阪神淡路大震災後の精神医療活動を描いたノンフィクション。
今に通ずることは何かないかと読んでいる本です。
前回、naochanのメッセージへの返信にも少し触れさせて頂きました。
少し長くなりますが、一部をご紹介させて頂きます。
——いずれにせよ、死者、被災者の人数といい、被害を受けた地域の広さといい、こんな大規模な都市災害は、これまでの災害精神医学の事例にはなかった。PTSD(心的外傷後ストレス障害)であっても、原因は単純ではない。私たちの体験しているのは、大規模な都市機能の崩壊に巻き込まれた〈心の傷つき〉なのである。
その意味で〈心のケア〉の問題は、たんに精神医療や精神保健の専門機関にのみ任された役割ではない。症状の重くなった人は病院を訪れるけれども、その背景には、病院にこそ来ないが、災害ストレスが心の傷になった人が何十万人もいる。心のケアは被災者全体に必要なのであり、そのためには被災者と接する業務を行っているあらゆる機関が、心のケアに自覚的であるべきだろう。
大げさだが、心のケアを最大限に拡張すれば、それは住民が尊重される社会を作ることではないか。それは社会の「品格」にかかわる問題だと私は思った。復興の中では補償や財産やローンなど、難しい問題が続出するだろう。ただでさえ、もめやすい事例である。そこに必ず不公平感が発生してくるだろう。納得のいかない結果に終わった人たちは、自分が尊重されていないと感じるに違いない。
〈心のケア〉がたんなるかけ声で終わらないためにも、具体的な方法論が今後ますます必要とされるのである。
——「心の傷を癒すということ」(安克昌氏著・角川ソフィア文庫)・第I部 震災直後の心のケア活動より引用
今、何を為すべきか、今、これから社会はどうあればいいのか。
僕たちはやはり「心」を試されているようです。
コメント
こんにちは。
私もそのテレビドラマ見て、心動いたひとりです。
思わず、ネットで原作者の安さん、ググってしまいました。(^^)
相手に寄り添う‥というと何だか難しく思いますが、大切なのは、いかに想像力を働かせるかですね。
首都圏に限らず、国民全ての人が、今の自分の行動が社会に与えるかもしれない影響を、想像力マックスに日々過ごして欲しいと、切に願ってます。
マスク配給決定した方は、どうもこの想像力が欠如しているとしか思えませんね!
自分さえ良ければ、の精神が買い占めやらに、走らせると思います。《品格》が問われると思います。ニュースで、その様子が写ると、
とても悲しくなりました。
だだ、主婦にも家族を守りたい!と言う使命感があります。ここで、お互いを思いやる事が出来たら、取り合いの様な事にはならないと思うのです。譲り合いの精神を忘れないで欲しいです。
こんばんは。良いドラマでした。
印象的な言葉、医療人として見習うべき対応がたくさんありました。
確かに、相手に寄り添うって簡単ではないし、
場合によっては余計なお世話となってしまうこともあるでしょう。
ただ、決して上から目線でなく、同じ地平から物事を見て、
アドバイスはできなくとも、話をただ聞き入る姿勢をもつことが大切だと、
ドラマを見てから、今まで以上に強く感じています。
残念ながら、国のリーダーは国民に永遠に寄り添えない人のようです。
こんばんは。
naochanからすれば、このドラマはより思い入れがあったと察します。
長い引用を読んで頂き、ありがとうございました。
現状に置き換えて読んでみると、これからの課題が見えるような気もします。
「自分さえ良ければ」という精神は一体どこからくるのでしょうか。
これまでの政治の状況をみると、なんとなく納得してしまうところもあります。
それと共に「家族を守りたい」と思うシンプルな気持ちもすごくわかります。
そこでnaochanが言うように、譲り合うこと、寄り添うこと、
そして、相手の立場になってみることができれば、
世の中は随分と変わるような気がします。