熱く、楽しく、思い切り走れ
2020年7月27日 スポーツ コメント (4)
7月26日、駒沢オリンピック公園陸上競技場――
強弱の雨が降ったかと思えば、急に晴れ渡る夏の日。
この日は延期になっていた東京陸上競技選手権の最終日だった。
「このままじゃ終われません」
専門の400mハードル決勝で8位だったYさんは小さく叫んだ。トレーナーとして、チーフのヒライのサブとして帯同したこの日、サポート選手の彼女は専門種目で予選を突破し、決勝に残った。
しかし、その言葉は納得のいくレースをやり切れなかった自分に対しての、彼女の叫びのように僕は聞こえた。
ただ、この日、まだ予定外の種目が残っていた。
4×400mリレー、通称マイルリレー。4年生として後輩たちに混じってのリレー、専門種目外ではあるが、気持ちを奮い立たせて、彼女はリレーにも挑むことになった。
「メダルを獲ります」という強い言葉に、ヒライも僕もただ「ガンバレ」としかいえなかった。
小雨が降りしきる中、第三走者の彼女が風のように疾走する。最下位で受けたバトンを、トップへあと少しの二番手まで彼女は引き上げた。
まるで雨粒が弾けるように、トラックを駆け抜け、アンカーの後輩の手へとバトンが渡った。彼女の活躍もあって、チームはこの種目で見事に優勝した。
レース後、ずっと彼女の面倒を見てきたチーフのヒライが満面の笑みで「よく頑張ったね」と今日一日を労った。彼女はそれ以上のスマイルを見せて、「ありがとうございます」と応えていた。
雨粒の遠く先に、青く澄んだ空が覗いていた。
強弱の雨が降ったかと思えば、急に晴れ渡る夏の日。
この日は延期になっていた東京陸上競技選手権の最終日だった。
「このままじゃ終われません」
専門の400mハードル決勝で8位だったYさんは小さく叫んだ。トレーナーとして、チーフのヒライのサブとして帯同したこの日、サポート選手の彼女は専門種目で予選を突破し、決勝に残った。
しかし、その言葉は納得のいくレースをやり切れなかった自分に対しての、彼女の叫びのように僕は聞こえた。
ただ、この日、まだ予定外の種目が残っていた。
4×400mリレー、通称マイルリレー。4年生として後輩たちに混じってのリレー、専門種目外ではあるが、気持ちを奮い立たせて、彼女はリレーにも挑むことになった。
「メダルを獲ります」という強い言葉に、ヒライも僕もただ「ガンバレ」としかいえなかった。
小雨が降りしきる中、第三走者の彼女が風のように疾走する。最下位で受けたバトンを、トップへあと少しの二番手まで彼女は引き上げた。
まるで雨粒が弾けるように、トラックを駆け抜け、アンカーの後輩の手へとバトンが渡った。彼女の活躍もあって、チームはこの種目で見事に優勝した。
レース後、ずっと彼女の面倒を見てきたチーフのヒライが満面の笑みで「よく頑張ったね」と今日一日を労った。彼女はそれ以上のスマイルを見せて、「ありがとうございます」と応えていた。
雨粒の遠く先に、青く澄んだ空が覗いていた。
コメント
若さって良いなぁ、と最近、つくづく思います。
過ぎてしまうと懐かしく思われます。
彼女のこれからも応援したくなります。
お疲れ様でした。
文面から若い力と躍動感がみなぎっています。
逃げ足は早いくせに徒競走は苦手という私。彼女の快走に憧れます。
その裏では地道な努力があったでしょう。そして羽生さんやコーチヒライさんやスタッフの皆さんのご尽力もあったでしょう。皆さま一丸の勝利ですね!
こんな状況での大会。出来れば大勢の観客の前で最高のパフォーマンスをしたかったでしょうに…。
どうぞお怪我などなく、これからご活躍をを陰ながら応援させて頂きます。
青春、躍動……そんな言葉がオジサンの頭の中で蠢いていました(笑)
ずっと走り続けて来た彼女、僕はほんの少しだけの関わりでしたが、
走ることに青春をかけ、その集大成が近づいている時を楽しむ姿は、
観ている僕たちにも、元気が貰えるようです。
naochanも僕も、まだまだこれから青春ですよ!
こんばんは。
走ると言うシンプルな行為の陸上競技。
何のために走るのか、誰のためにゴールを目指すのか。
逃げ足の速さは、競技の足しにはならないのか(笑)
彼女はこの日、輝いていました。
大学4年、ラストシーズンのはずが、思わぬ障壁。
それでも走ることを諦めずに、ここまで辿り着いた彼女。
ゴールは目の前に来ていますが、悔いなく次のステージへと思っています。