今更ながらとも言えますが、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を少しずつ、自戒をこめて読み進めています。この作品は1962年に発表された自然破壊に警鐘を鳴らした著者の先駆書です。その中から引用させて頂きます。

『化学合成殺虫剤の使用は厳禁だ、などど言うつもりはない。毒のある、生物学的に悪影響を及ぼす化学薬品を、だれそれかまわずやたらと使わせているのはよくない、と言いたいのだ。その薬品にどういう副作用や潜在的毒性があるのか、考えてもみなければ知りもしないまま化学薬品を使う。おびただしい人々が、知らぬまに、こうした毒を手に入れていた――手にさせられたのだった。権利の章典に、市民は危険な毒から――私的個人、公的な官庁からばらまかれるにせよ――安全に身を身を守られるべきである、と書いていないとすれば、それは私たち祖先も、こんなことになろうとは夢にも思わなかったためにすぎない。』

―中略―

『どんなおそろしいことになるのか、危険に目覚めている人の数は本当に少ない。そして、今は専門分化の時代だ。みんな自分の狭い専門の枠ばかりに首をつっこんで、全体がどうなるかは気がつかない。いやわざと考えようともしない人もいる。また今は産業の時代だ。とにかく金をもうけることが神聖な不文律になっている。』

※「沈黙の春」レイチェルカーソン氏著・青葉簗一氏訳・新潮文庫より引用

この著書が発表されてから59年、今はどうなのか――変わらず抱える問題を解き続けるバトンは、僕たちの世代、その先の世代へと託されています。

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