口笛吹いて

2004年5月27日 読書
ISBN:4167669021 文庫 重松 清 文藝春秋 2004/03/12 ¥570

この作品に登場する晋さんなる人物は、
人生で何回も負けを経験している中年サラリーマンです。
中学校の野球部でエース、推薦で名門高校に入り、肩を壊し、
そのままずっとマウンドに上がらないまま3年間を過ごします。

そんな晋さんを少年時代憧れていた主人公は
偶然、仕事で晋さんと再会します。
自分は課長、晋さんは係長、勝ち組と負け組に分かれての再会です。
それからのストーリーは……。

たったひとつ確実に言えることは人生に勝ち負けなんてない、
それを他人が決める権利もない、と言うことです。
ISBN:4036082507 単行本 中村 浩三 偕成社 1990/05 ¥945

本が好きな小学校2年の娘が最近、一生懸命読んでいる本です。
和歌山熊野の本屋さんから月1回送り届けられる本の今月分、
まだ僕は読んでいませんが、娘が引き込まれるストーリー、
僕も楽しんでみようと思います。

ちなみに熊野の本屋さんは……。
『くまの書房』
http://www.e-kumano.jp/index.html
美人姉妹とトラキチのお父さん、
そして子供が大好きなお母さんでやっている町の本屋さんです。
ISBN:492114270X 単行本 平 美樹 星湖舎 2004/03 ¥1,260

以前の日記でも紹介したアメリカでの心臓移植手術を目指して、
奮闘している平美樹さんの著書です。

『私は生きたいんです!』と素直に自分の気持ちを叫ぶ平さん。
病院での葛藤、日々の思い、将来の夢など、
この本を読み終えると命の重さ、生きることの素晴らしさを
改めて実感させられます。

周囲の人たちの応援の甲斐もあって、
現在募金の総額は5600万円、渡航に必要な9000万円までには
もう少しですが、夢に向かって彼女も日々精一杯です。

歩、雫、扉

2004年4月8日 読書
清水哲さんから3冊の詩集が届きました。

野球のこと、障害者である自分のこと、奥さんのことなど、
清水さんのすべてが詰まっているような詩集です。

自分の全てを綴りたいからと敢えて自費出版にしたこの詩集。
時間をかけてじっくりと読み込みたいと思います。
ISBN:404154002X 文庫 山際 淳司 角川書店 ¥460

苦渋の選択と言う女子マラソンのオリンピック代表選考。賛否両論は様々ですが、僕はあるボート選手を思い出していました。

津田真男、ボートでの幻のモスクワオリンピック代表選手です。自堕落な大学生活を過ごしていた主人公が、
ふと『オリンピックに出よう』と思いつきます。

その思いつきから代表に選ばれるまでの経緯が描かれているのですが、その辺にいる大学生がオリンピック選手になるノンフィクション、
でもそれは完璧なサクセスストーリーにはなりませんでした。
津田さんとは関係のないところで、モスクワボイコットが決まってしまったからです。

高橋尚子と津田真男、比較しようもありませんが、
オリンピックに出たかった気持ちは多分同じだと思います。
ISBN:4794210183 単行本 小林 信也 草思社 ¥1,400

今朝、新聞で長嶋さんが倒れたことを知った時に
真っ先にスポーツライターの小林信也氏のことを思い出しました。
きっと家族の人たちと同じくらいにその病状を心配しているだろうと。

僕はベイスターズファンであって、ジャイアンツファンでも
長嶋ファンでもありません。
でもこの本を読んだ時、小林氏の長嶋さんに対する熱い思いと、
長嶋語の理解力にびっくりしました。
長嶋さんの見方、野球の見方が面白くなる一冊だと思います。

長嶋さんの一日も早い回復を祈ります……。
ISBN:4794211031 単行本 小林 信也 草思社 ¥1,500

作者の小林信也氏の発想にはホントびっくりしました。
例えばイチロー、ご存知の通り大リーグで活躍しているわけですが、
日本のマスコミは何故か、イチローを生んだ日本野球を称賛せずに、
イチローが活躍中の大リーグを賞賛する風潮があると言うわけです。

イチローも、ヒデも紛れもなく日本の土壌が生んだプロ選手、
もっと日本力に自信を持とうと小林氏は提唱しています。ふむふむ。

その他、アイシングをしなかったり、ウェートトレーニングをしないメジャーの選手も紹介していて、常識は鵜呑みにしちゃいけないよと言われているようです。
勿論、日本のスポーツのあり方にもメスを入れていて、なかなか興味深い本となっています。

hedgehogさん、こちらもお気に入りにさせて戴きました。ありがとうございます。

中田英寿 鼓動

2004年2月25日 読書
ISBN:4877282785 単行本 小松 成美 幻冬舎 ¥1,600

すでに文庫本も出ていますが、
『スローカーブを、もう1球』山際淳司著
『一瞬の夏』沢木耕太郎著
以来、久しぶりに驚き、凄いと思った作品です。

何が凄いかと思ったかと言うと作者、小松氏の中田選手への親密度、
常に中田選手の後ろを歩いているかのような細かな取材にはびっくりしました。

当時、マスコミに言われていた作り上げられた彼のイメージを
この作品が見事に覆してくれました。
そして気がつくと僕もヒデファンになっていました(笑)。
ISBN:4163220909 単行本 横山 秀夫 文藝春秋 ¥1,571

ベストセラーや人気作家が書く本がいいモノとは限りませんが、
この本は読み終えて重みを感じた1冊でした。

あの日航機事故の際にデスクにさせられた主人公の新聞記者が、
組織の中で真っ直ぐに生きようともがいている様がなんともいいです。
上司との確執、部下との激しいやりとり、友情……。
中年男性が家族との関わりで悩む姿も同世代として共感しました。

読んでみて『青臭いな』と思う人もいるかと思います。
でも真っ直ぐに生きることが本当にできるなら、
人生ももっと楽しくなるんじゃないかと感じてしまった1冊でした。
ISBN:492114267X 単行本 川谷 清一 星湖舎 ¥1,200

写真家であり、テニスインストラクターである川谷氏が書いた渾身のノンフィクションです。川谷氏が出会った人たちの生き様をストレートに書き綴った文章は生きることを改めて考えさせられます。

野球での事故がもとで障害者となった清水哲さん、
ガンと闘う冒険家エミコシールさん
骨太の在日朝鮮人2世の芸人、趙博さん、
そして自分の心臓移植のために立ち上がった平美樹さんなど、
そこに描かれている人たちは『生きること』に一所懸命で、
読んでいる自分の小ささを再確認するような思いでした。

作者の川谷さん自身が人生を常に全力疾走しているようで敬服するばかりです。詳しく知りたい方は以下ののHPを御覧になってください。
http://homepage2.nifty.com/rojyonotabibito/

さてと、勝手にお気に入りにしてしまった栗江さん、もち米さん、
八重桜さんそして師匠の窓際淳司さん、
お気に入りにして戴いてありがとうございます。

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