長男と同い年の2人の17歳に、
会う機会がありました。

1人は男の子――

小学校の頃から野球少年だった彼は、
今はボクシングをやりたいと、
真っ直ぐな眼差しで話してくれました。

もうひとりは女の子――

試験勉強が大変だと言いながら、
瞳がキラキラと輝いていました。

夜の仕事。
クルマの中で2人の瞳を思い出します。
清々しい気分で、いつもの場所へと向いました。
娘が友達とバドミントンをするというので、
天袋に締まっておいたラケットを引っ張り出しました。

中学高校と部活で励み、大学時代はいくつかの学校のコーチ、
社会に出てからはバドミントンと関わる仕事をしていた時期もありました。
ベタな言い方をすれば、バドミントンに青春を賭けていました(笑)。

選手としても、コーチとしても、
全然大したことはなかったのですが、
ただ1つだけバドミントンには、
自分の全てを捧げて打ち込む瞬間が確かにありました。

「ラケットはこう握って、こう振って……」

偉そうに娘に薀蓄を語りながら、自慢話も散りばめて(笑)。
久しぶりにバドミントンがやってみたくなりました。
インフルエンザが流行り始め、
巷では風邪を引いている人もたくさんいます。

とりあえず羽生家の予防策のひとつが洗濯物の部屋干し。
夫婦に子ども三人と母親。
6人家族の洗濯はいつも1回では終わりません。

それならばと、半分は夜にやってしまって、
居間や子ども部屋に乾燥予防にと干しています。
若干、青春の匂いはするものの(笑)、
ほどほどに湿度のある空気はそれなりに快適です。

そんなわけで今晩も、
居間では洗濯物がブラブラしています。

湯島天神にて

2009年1月25日 日常
湯島天神にて
湯島天神へと続く坂。
男坂、女坂、夫婦坂。

「夫婦で来たから夫婦坂から行こう」

この4月から高三と中三になる長男と次男の、
少し早い合格祈願を兼ねて、
夫婦でのんびりと湯島天神へ行きました。

2年前の元旦ほどではないものの、
受験シーズンとあって、
合格祈願に来た中学生や高校生もたくさんいます。

「梅が咲いているね」

まだ少しだけど境内には梅の花もちらほら。
夫婦で甘酒をすすりながらの観梅です。

カミサンのバックには、
学業成就の御守り二つと娘への開運の御守りがひとつ。

平凡で穏やかな休日――
こんな時間も大切にしたいと思います。
久しぶりにとことん飲んで語った楽しい大人の夜でした。

子どもが小学校の時に同じサッカークラブだった父親4人。
名古屋に単身赴任中で帰省してきたTさん、
偶然にも同じ幼稚園の出身だったMさん、
サッカーと酒に熱い男のNさん、そして僕。

1次会の中華料理店で大いに飲んで、語って、笑って。
二次会は高校の先輩がマスターのバー、
そこでも、子供の話しあり、世相の激論あり……。

知らず知らずのうちに酒量も増して、最後はNさんと僕の2人。
時計を見るともう午前1時半。
酔っ払った頭に夜中の冷たい空気が心地良いです。

「羽生さん、今回は僕の勝ちだね」
何年か前と同じように、Nさんと肩を並べて歩いて帰りました。
前回では千鳥足だったNさんは今回は健脚そのもの。
Nさんと別れてからの僕はというと……
訳の分からないうちに、家の前に辿り着いていました(笑)。

そんな楽しく騒いだ夜の翌日は――
今年最初で最後の、完璧な二日酔いになってしまいました。
早朝、もそもそ起きると長男のリョウ――

「今日、送っていってもらおうかな……」
「……ああ」
眠たい目をこする。
あいつから送ってくれというのは滅多にないことだけど、
だからと言って、何があるわけでもないだろう。

「コンビニ寄っていってもらっていい?」
「わかった」

自分の高校での練習試合。
少し早めに行って、試合の準備をするらしい。

朝の6時半、長男と2人で家を出る。
空いた道、他愛もない話をしていると
コンビニに寄ってもあっという間に学校へと着いた。

帰り、1人で違う道で家へと向う。

なんのことはない、休日の朝。
なんとなくだけど、悪くはない気分だった。

待ち合わせ

2008年9月22日 日常
日曜、富士の実家に帰っていたカミサンと娘と、
川崎駅の改札で待ち合わせました。

人波に逆らうようなそれぞれの待ち合わせ。
待ち人が来ずにキョロキョロと目を配る女性、
久しぶりの再会の喜びに大声を張り上げる男たち。
待ち合わせのターミナルは案外面白いものです。

「お父さん、お父さん! 笑点の大喜利の一番右の人誰だっけ?」
待ち人は僕に会うなり、いきなりの質問でした(笑)。





丸刈りの思い出

2008年7月12日 日常
仕事を終えてから、いつもの床屋さんに行きました。
「短くしますか?」
専属のヘアメイク(笑)のマサオさんがいつものように、
僕の要望をつついてきました。

「このあとH2高の野球部の子が五厘刈りしに来るんだよ」

五厘刈りはマサオさん曰く、2ミリに刈り込む丸刈り。
H2高は甲子園でも優勝したことがある名門で、
明日の試合に備えて、1年生もびしっとみんな丸刈りらしい。

「僕も高校2年の時に五厘にしたんです」

試合に負け、気合いを入れるつもりで、
当時の僕は父親にバリカンで思い切り刈ってもらいました。

その翌日―ー。

「気持ちいい」と、
何人ものクラスメートに頭を撫でられました。
だから、高校野球を見ていると、
撫でまくられた丸刈り頭の感触を思い出します。

それにしても、H2高の彼。
本当に格好いい、綺麗な丸刈りになっていました。
歩いて40分ほど、バスを使えば約20分。
「よっしゃ、歩いて行こう」と、
夏の陽射しを浴びながら、用事を済ませに日曜の午前中。

街中の暑さを体で感じて、じわっと汗ばみます。
時折、すうと涼しい風が頬にあたり、
人波の中でもささやかな自然を実感します。

「気持ちいいじゃん」と思わず独り言。

夏の暑さを体で感じて、
汗をかきかき歩くのも、夏の楽しみのひとつです。

実はその後のビールの方だったりして……(笑)。
「お弁当買って、外で食べない?」

休日の買い物、昼時のカミサンの意見。
川崎のショッピングモールのちょっとした広場。

決して、景色は良い訳ではありませんが、
爽やかな晴天は自然が少なくても悪くはないものです。

孫と戯れるおじいちゃん、
手を繋ぎ幸せそうなカップル、
ベビーカーの双子を気遣う夫婦。

休日の風景を眺めながら、
僕らも二人でお弁当を頬張ります。

ほんの一瞬、結婚前を思い出しました。
「竹の子御飯を作ったので食べていって下さい」

夜の仕事先でのこと――。
ご好意に甘えて、旬の竹の子御飯をいただきました。

もち米とうるち米が半々。
程よい柔らかさに、竹の子の葉ざわりが最高です。
竹の子のお吸い物にふきの煮物。
旬の素材が生かされた料理に舌鼓を打ちました。

仕事を終え、外に出ると微かな雨。
もう、すっかり春の雨です。
桜が咲き、新と名のつく人たちが街に溢れ、
暖かな日が増えてくると、
なんとなく、そわそわとざわざわとしてきます。

もう何度も迎えてきた新年度。

うちでも子供たちが高2、中2、小6になりました。
小、中、高とばらけての最後の年でもあります。

誰もがそうなのかもしれませんが、
1年1年が、だんだん早くなって、
やりたいことが、増えてくるようです。

昨日、カミサンとふらっと出かけました。
電車に乗って次男のサッカーの試合を少し見てから、
近くのアウトレットモールへと買い物に寄りました。

そんなありふれたの休日も、
また大切にしたいと思う新年度です。
年末年始
大晦日、カミサンの実家に家族4人で出発。
途中、足柄のサービスエリアの風呂で1年の疲れを癒す。
カミサンの実家で長男と合流。
義母、義妹、その子どもらと大いに騒ぐ。

元旦、長男と次男を早朝叩き起こし、
近くの富士中央公園で初蹴り。
やはり元気なのは子どもたち。
ランニング勝負で僕は惨敗。
それでも、富士山を眺めながらのサッカーは気分爽快。

2日、家族全員で帰宅。
朝、富士山と僕を撮るように長男に指示。
みんなの健康を祈る。

3日、三ツ沢で高校サッカーを観戦。
藤枝東対日大藤沢。実力伯仲の試合に熱中する。
長男はボールボーイ、次男はスタンドでうずうずしていた。
カミサンはいつものように、嬌声の連発。
娘は家で留守番。

4日、仕事始め。
いつものような、いつもとちょっと違うような。

本年も宜しくお願いします。
お酒は強くない方なので、
大した量は飲まないのですが、
無性にアルコールを喉に通したい時があります。

特に嫌なことがあったわけでもなく、
楽しい気分と言うわけでもなく、
なんとなく、ちょろっと摘みながら。

「今晩、一杯やろうか」

ほとんど飲めないカミサンに声をかけました。
摘みは柿の種とポテトチップ。

いつものような、平凡で大切な一日に乾杯!

走る

2007年10月12日 日常 コメント (6)
「先輩はきっと、ずっとここを走ってるんでしょうね」
後輩の女の子に言われた言葉が、時々頭に浮かびます。

高校時代、毎日のように走っていた公園――
あれから27年あまり、
僕は思い出したようにその公園を時々走っています。

昨日の夜も走ってきました。

距離は減り、ペースもぐっと落ちています。
何のためでもない、ただ走るだけ。
うっすらと汗をかき、ふくらはぎもパンパンになる。

走ることが好きだったわけでも、
楽しかったわけでもありません。

昔はバドミントンが強くなりたい一心でした。

今はただ気が向いたら走るだけ。

「無理をするな」
「いや、もっと走れる」
そんな心の言葉と葛藤しながら、
それでもなぜかその公園を走っています。

サンドイッチ

2007年8月29日 日常
朝、カミサンを送ってのクルマでの帰り、
川崎駅から程近い交差点の赤信号、

朝の通勤ラッシュに混じって僕もクルマを止めました。

右隣にはトラックのお兄ちゃん。
見ると運転席でサンドイッチを黙々と頬張っています。

いつもクルマの中で朝飯かな、
それとも今日はたまたまかなと、
勝手に思いを巡らせました。

流していたFM横浜からはケツメイシのナンバー。
去り行く夏を惜しむ歌です。

その歌を聞きながら
もう一度トラックのお兄ちゃんを見ました。
信号が青に変わりました。
昨晩、ケンのサッカーの練習の帰り。
時間のあった僕はクルマで、駅まで迎えに行きました。

「お父さんの育った町に寄ってみるか」
「いいけど、近いの」
「あぁ、すぐだ」

駅からクルマで5分程度の、どこにでもある小さな町。

僕が家族4人で住んでいたアパートは、
3階建ての2軒の家に変わっていました。

「じゃ、今度は子供の頃、毎日野球やってた公園に行くぞ」
真っ暗で誰もいない公園――。

「狭いね」
「あぁ、ほんと狭いな。でも、いつもここで遊んでたんだ」
「ふ〜ん」

なくなってしまった幼稚園や風呂屋。
まだ営業していた床屋。
商店街をゆっくりと通り抜けると、
見慣れた国道にぶつかりました。

「ここに来るんだ」
自分の家に続く道に、ケンがやっと気がつきました。
千葉に住む伯母が、久しぶりに泊まりに来ました。
80歳、昔からモダンだった伯母は今も気持ちが若いです。

「ちょっと前まで岡田君だったけど、今はマツジュン」

今度、嵐のコンサートに行こうと計画中で、
毎晩、マツジュンのビデオを見てから寝るそうです(笑)。

その伯母、真面目な顔で横浜で体験した空襲の話になりました。

「怖かったね……、もう絶対戦争はいやだね」

戦争を体験した人だけの本物の実感――
僕らも次の世代へと伝える責任を感じました。
長年頑張っていた洗濯機がとうとう壊れてしまいました。

仕事を終えて、ママチャリに洗濯物を積んで、
ちょっと離れた商店街のコインランドリーへと向いました。

午後7時過ぎ――
片づけをする八百屋さんや、疲れた顔でほっとしている肉屋さん、
閉店時間が近づいたムードがなんとも長閑です。

野菜の匂いや、揚げ物の匂いが鼻をくすぐり、
夕飯前の胃袋を刺激します。

結局、最初も最後も1人きりのコインランドリー。
明日は新しい洗濯機がやってくるので、
しばらくお世話になることもないでしょう。
明日、長男のリョウが中学の卒業式を迎えます。

クラブチームのサッカー練習を終え、
風呂に入り、食卓に付きました。

時折、笑い声。
時折、母と子の会話。
今まで何度も見て来たいつもの風景――。
母親似のリョウ。

卒業前夜もいつものように夜は更けていきます。

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